商店街イベントでのパフォーマンス前の紹介のされ方を考える

ステージイベントでの紹介のされ方を考える

普段は路上で無名な存在”しもとりゆう”です。

先日の商店街イベントで司会の方に「なんて紹介すれば良いですか?」と聞かれて返答につまったので、少し自分の考えをまとめました。

ステージイベントの特質

ステージイベントは大抵、何組もの出演者が入れ替わり立ち代わりステージに登場することが多いですよね。

イベントの主催者としては出演者が入れ替わっても盛り上がりを途切らせたくない。
MC(司会)はこの会場の熱気をどんどん盛り上げたいと考えています。

せっかく集まったお客さんを出演者の入れ替わりのタイミングで減らしてしまうのは明らかにもったいないですからね。

その結果「さああぁ!盛り上がってまいりましたああぁ!続きましてぇ、〇〇の世界チャンピオンによるぅぅぅ、すご技パフォーマンスです!どうぞっ」というマイクパフォーマンスが発生するわけです。

ぼくは、「MCさんの役割は場のテンションを維持し、できればさらに盛り上げること」ということを理解しつつ、でもあんまり紹介しないでほしいというのがホンネです。

しもとりゆうが紹介されたくない理由

の前にここはあえてぼくのパフォーマンス前にMCの人がアゲアゲの紹介をするという想定をしてみます。

「新発見だ!こんなにもおもしろい男がいた。そこにいるだけでおかしい。そんな彼が動き出すだしたらもう止まらない。息をつく間もない笑い声が幾重にも重なり、会場を包み込む。次は何が飛び出すのか、誰が巻き込まれるのか、予測不可能なドタバタコメディーがいま幕を開ける!しもとりゆぅーーーーーー!」

すんません。ハードルあげすぎっす。もうちょっとテンション低めの紹介でお願いします。

「続いては「すごい技をやって、それで熱狂させるタイプの大道芸人」ではなく、「見ている人たちにもできそうなことを予想外の展開で繰り広げ、共感が笑いを誘うタイプの大道芸人」しもとりゆうです。どうぞー」

あれ?これぼくのサイトから拝借したやつじゃないすか。うーん。外れてはいないので悪くはありません。
でも、「予想外」って言葉をこれから観てもらうために使うのって難しいんですよねぇ。「予想外の結末」とか「誰も予想しなかったラスト」っていうキーワードって予告編なんかでよくありますよね。
例えば、「予想外」っていう言葉に惹かれて興味もち、「予想外の結末」の映画を観ることになったとしましょう。すると「このあとどこに予想外なことが起こるのかな」っていう目線で観ちゃうじゃないすか。「犯人はこの人じゃないのかな」とか「このまま終わるには少し時間余ってるからもうひとひねりあるな」とかって予測しながら観ちゃうと「あぁ、やっぱり」ってなることありますよね。んで”予想外のオチ”を期待して観たわりに予想外じゃなかった。なんてことありません???
こんな見方してたらつまんないなと思って最近のぼくは映画の予告とか口コミを観ないようにして映画の本編見ます。他にも、予告編で7割予測できちゃうキーワードが「感動の結末」「衝撃の展開」です。(あ、話しがそれた)

つまり、先のことを全く予測できないように紹介してほしいし、観ようとしている人にはなんの予備知識もなしにみてほしいわけなんすよ。 難しいのはわかってるんですけどね。

例えば「10万人を笑わせたコメディー」って紹介しちゃえば「おっ、それならおもしろそうだから観てみよう」と思う人は増えるでしょう。さて、次は買い物していた帰ろうと思っていたお父さんも気になるからみちゃうかもしれません。でも、その人たちにとっては「どれ?俺を笑わしてみろ目線」で観ちゃうと思うんです。ここでイベント主催者にとって来場者が大事な指標ならこういう集め方もありだってことはわかってるんです。でも、期待値ゼロでそういうパフォーマンス観たほうが絶対におもしろいし、変な期待をさせないぶん出演者としてもやりやすいはず。

つまり、ぼくが紹介されたくない理由は、変なバイアスがかかった状態でみてもおもしろくないかもよ?ってことなんです。コメディーっていう言葉だけでも人によってイメージするコメディーが違うので、バイアスかかります。知らず知らずのうちに持ってしまう偏った見方で判断されちゃうわけです。でも、技を成功してどんどん難しいことに挑戦していくタイプではないという意味ではコメディというジャンルだし。う〜ん、説明しずれー。まぁ四の五の言わずにとりあえずみてよ。ってのが正直なところです。

じゃぁどうコメントすりゃーいいんだ?

ぼくは落語家さんみたいにぬるっと登場してお客さんのテンションに寄り添いじわじわおもしろくなる感じが好きだし得意とする芸風です。

なので事前に渡してもいい情報は

  • パントマイム
  • サイレント
  • 人形を使った芸

このあたりです。これをうまく広げて紹介していただけるとうれしいです。

その点、代々木上原のハロウィンの司会者の方の紹介が良いなって思いました。サイレントという言葉からすげー広げて「さぁ、次はパントマイムのしもとりゆうさんです。しゃべらないパフォーマンスということなんですが、別にしゃべれないわけじゃないんですよ。あえてしゃべらないという茨の道をすすんでいらっしゃる方なんですが、引っ込み思案なんでしょう。〜〜〜」

みたいな感じ。ぼくの前の出演者の方があまり盛り上がってなかったのもあってテンション的にもとても心地よかったです。

終わったあとも「いやぁー、おもしろかったですね。今のしもとりゆうさんのパフォーマンスをうちにも呼びたいという方は、ぜひ直接電話してみてください。あ、電話しても無言かもしれませんけどね」ってオチまでつけてくれて最高でした☆

続く小桜商店街は限りなく普段の大道芸に近かったのであえて紹介してもらわずにはじめました。その方がぼくにとっては通行人が後ろをうろうろしてて楽しめるからです。
そして、スタートしたときの観客数が少ない方が、途中からどんどん増えていくのでショー全体を見返したときに最後に向かって尻上がりで盛り上がりやすいというのもあります。この辺の報告は小桜商店街のハロウィンイベントはおれが一番楽しんでたかもしれないをみてね。

はい、まとめると

  • ステージイベントで「続いては〇〇さんのパフォーマンスです!どうぞおおぉぉー!」というMCにしもとりはビビりがち。
  • 期待しないで油断してご覧ください。というホンネ。
  • パントマイムやサイレントというキーワードだけでMCさんが広げてくれるとありがたい

です。言うてもこれは演じ手としての個人的な意見であって、主催さんがガンガン煽りたい感じなら精一杯ハードルあげても構わないんですけどね。

ほんじゃーね。