僕は人気者になれない

人気ブロガーとか
人気You Tuberとか
人気俳優とか
人気劇団とかとか

人の注目ってのは、だいたい人気者に向けられる。

人気があるものには価値があり、
人気がないものには価値がないように思う時もある。

人気者になりたかった大学時代

僕は、日大芸術学部演劇学科というところに通っていたんだけど、ここでは3年生は文句なしに1年生からモテるし、慕われるという夢のような文化があって、僕も例にもれずきゃーきゃー言われたことがある。

そこで慕われることは大学2年まで僕の小さな人生目標だったし、人気者になることがこの先ずっと大事な価値観だとも思ってた。

でも、なんか違った。

慕ってくれたこと、良い感想を伝えてくれたことは素直にうれしかった。けど、心のどこかで「なんか違う」ってモヤモヤだけがぐるぐるうずまいていた。

「これしもとりに向けられたものじゃなくて、3年生の先輩っていう外枠に向けられたのものなんじゃね?」

そういう思いが強くなった。もちろん僕個人に向けられたものもあったけど、この人気は擬似的なものでいつか終わる。ってことをどこかで感じながらこんなことを思った。

「あれ?俺、人気者になりたいなんて思ってないぞ」

やがて、その思いはだんだん強くなって行って、「人気者にはなれないな。俺」って心の底から悟った。

大道芸が救ってくれた。

そのうち、路上に立つようになって誰も立ち止まらないという地獄の日々を過ごしながら、こんなことを思った。

「ここ(路上)じゃ誰もが無名なんだな。でも、ここで知らない人が僕の芸を見て、さらにお金まで入れてくれたらそれは前情報もなんにもない俺に対して、今この瞬間、この場所ではじめてあった人との間に価値が生まれたってことだからそのことに嘘はないな」

そんなことだけが少し生きがいだった。

99%の人は僕が路上でやってることに対して立ち止まらない。ほとんどの人は路上で人だかりができてるから「おっ♪」と思って立ち止まる。

その意味では、きっかけに人気は必要なのかもしれない。

今ではそう思うようになった。

でも、これだけは声を大にして言いたいのだけど、

実際に受け手にとって価値があるものなのかは、人気と全く関係がない。

僕は心の底からそう思っている。だから、人気は僕の中で重要度が高くないし、人気者になりたいなんてことは思ってないので、人気者にはなれない。

長くなったので、このへんで。